こんにちわ。
学生会員の湊太郎です。
今回は高松のイサムノグチ庭園美術館へ行って参りましたので、
そのご報告をさせて頂きたいと思います。
始まりは昨年の弥生の会。
クイズ大会に勝ち、高松旅行券を頂きました。
良い季節に行けば良いのに、と皆さんからのアドバイスも頂きながらずるずると。
3月になってやっと行く機会を作ることが出来ました。
札幌の大学に入り、初めてイサムノグチさんという彫刻家を知ったのは6年前。
ちょうどグランドオープンの時期でした。
友人と行ったモエレ沼公園は、何の知識も持たない私たちにも、
「新緑の香り」と「風の吹く気持ちよさ」を教えてくれました。
それ以降、MFCのお手伝いをさせて頂きながら、
イサムノグチさんの作品に込める思いに惹かれ、
それを静かに研磨し、また呼吸するように彫刻に込めていた高松のアトリエに、
何があるのか。
今回の旅はそんなことを少しでも感じられたら、と思いながら訪れました。
写真は受付のある建物です。
美術館内は撮影が禁止されているので、ここまでしか撮れません。
内部では美術館を紹介する映像や、出版物、
またAKARIシリーズなどが展示、販売されていました。
その中には、MFCのアクセスモエレも!
庭園美術館の皆様、ありがとうございます。
集合時間になり、案内をされ、まずはイサムさんが実際に制作活動を行われていた、
「サークル」と呼ばれる屋外作業場へ。
そこでは、イサムさんが生前細かくその配置を指示をされた彫刻たちが並んでいました。
のどかに野鳥のさえずりが響くまちの風景も見えながら、
サークルの内部には独特の空気の張った緊張感と、
それを和らげる雨が彫刻をたたく音が鳴り、
とてもリラックスして展示品を見ることが出来ました。
並び立つ作業蔵内部には、イサムさんが実際に使われた道具たちが。
イサムさんが作業しながら見たであろうまち、山、空の風景は、
穏やかな自然のすばらしさと、奥深い色のグラデーションを作り出し、
雨に濡れ光る彫刻とのコントラストが、
一つ一つの彫刻に表情があることを教えてくれます。
また、有名なエナジーボイドが展示される展示蔵の中では、
蔵の中と外を行ったり来たりしながら、見学者が自由に見て回れ、
それぞれ好きな作品を前にして眺めていました。
蔵の前にたつ桜から花びらが落ち、模様を作る姿も美しかったです。
その後見学コースはイサム家と呼ばれるイサムさんの自邸、庭、
またその上に設けられた屋外展示の庭園へ。
イサムさんの自邸はご自身で設計され、家具も何点か作られたとのこと。
天井から吊るされたAKARIの柔らかな光が印象的でした。
私が最も気に入ったのは、その上にある屋外庭園です。
庭園には「石の川」をはじめとした数点の作品が展示されていますが、
やはり魅力的なのは起伏に富んだ庭園そのものにあると思いました。
大きな広がりが気持ち良いモエレ沼公園と対称的に、
斜面の魅力に溢れた庭園は、たつ場所によって見える景色、彫刻の表情が変わり、
思い思いの場所にたつ見学者が見られました。
私はこんもりとした丘の脇から奥の山を見るのがとても好きでした。
雨が降ってなければしゃがみ込んでいたのになぁ、と思います。
初めての高松旅行。
期待を膨らませて訪れたイサムノグチさんのアトリエは、
そんな期待を包み込んでくれ、
私自身、彫刻の表情、石の個性、山の風景、畑の生命力など、
たくさんの素敵なことを感じてきました。
また次は季節を変えて訪れたら、新たな発見があるのかなぁ、
とまた期待に胸を膨らませて、帰路につきました。
このようなすばらしい機会を与えて下さった、モエレファンクラブの皆様、
丁寧な説明や、質問にも優しく答えてくださった、庭園美術館の皆様、
本当にありがとうございました。
今度はもう一度、モエレへ行き、
新たな発見を探したいと思います。
(学生会員:湊 太郎)