2005年
2005.06.18

坂田栄一郎 ギャラリートーク

坂田栄一郎 ギャラリートークを開催しました!

6月18日16時から「坂田栄一郎 ギャラリートーク」が行われました。
総勢40名の観客が坂田栄一郎さんと一緒に展覧会場を回りながら、坂田さんのいろいろな楽しいエピソードを聞くことができました。

撮影の時は人間だけではなく、亀にも馬にもなすびにも話しかけながら撮影をするというエピソードはとても重要な意味を持っているような気がします。

ギャラリートークの最後に行われた質問コーナーも大変盛り上がり、予定していた終了時間を大幅に超えてしまいましたが、「坂田さんからパワーを貰いました!」と言っていただいた参加者もいて、大変有意義な時間を共有できたのではないでしょうか。

また、ギャラリートーク終了後には、図録をお買いあげいただいた参加者へ坂田さんからのサインのプレゼントもあり、十分坂田さんからのパワーが参加者へ伝わったと思います。

参加された皆様、本当にありがとうございました。

 

また、「坂田栄一郎 ギャラリートーク」に参加された矢原さんから感想をいただきましたので、ご紹介します。

 

私はこれまで坂田栄一郎さんについて全く知りませんでしたが、今回のような本人の解説を交えながら写真を見るという、滅多にない機会に恵まれてすごく光栄でした。

 坂田さんの写真を見て、こんなにも被写体の魅力に迫る鮮やかな写真を撮る事が出来るんだなぁ、と思ったとともに、立ち止まって暫く眺めているとその被写体の持つ魅力がさらに滲み出していき、心をとらえて離さない感じがしました。私も初心者ながら一眼レフで風景などの写真を撮るので、普段から写真展などに足を運ぶようにしていますが、こんなにもインパクトのある写真は初めてでしたし、さらに撮影時の坂田さんの心境などのエピソードを聞いているうちに写真1点1点が奥深く見えてきて、その時の感動を共有したかのように私も感動しました。

天を射る、という題名にも表れていますが、坂田さんの写真は被写体の魅力を逃さず鋭く収めるとともに最大限にひき出し、見る人に訴えかけてくる迫力があります。

 

 きっと、坂田さんの写真を魅力的に感じるのは、技術は勿論のこと坂田さん自身の人柄が表れていることによると思います。実際坂田さんにお会いして、坂田さん自身がおしゃれで気さくなおじさんという感じの親近感のある方で、色々お聞きしていくうちに考え方や生き方に他の人にはないパワーを感じ、写真のみならず人柄にも人を惹きつける魅力がありました。一般的に私が良い写真だなぁ、と思う写真は割と被写体自体が肉眼で見ても美しい瞬間をとらえたものが多いのですが、坂田さんは被写体に極限まで近づいたりして正面から向き合っている事で、気付かなかった側面までもをひき出し、被写体独特の味をとらえているように思います。被写体が人物なら、即座にその人のもつ独自の良さを見抜き、自分から彼らに近づいていって和ませる事でその人の素の部分や深層の部分を引き出すようですが、そのような能力があってこそあのような多くの人を感動させる写真ができるのではないでしょうか。

今回、坂田さんのお話に感動しただけでなく、坂田さんとお話しする事も出来たりと、大変貴重な機会を持つ事が出来たことに感謝しています。最後に、これからも精力的に活動していく事を期待するとともに、またいつかお会いできる日が来る事を楽しみにしています。

●矢原 有理(北海道大学3年)

Profile

坂田栄一郎

1941年東京生まれ。

日本大学芸術学部写真学科卒業後、渡米。

リチャード・アヴェドンに師事する。

1970年の初個展「Just Wait」以来、肖像写真を中心に作品を発表している。

1993年に世界で最も伝統のある写真祭として名高いアルル国際写真フェスティバルにメインゲストとして招待され、同年アルル名誉市民賞を受賞。
2005年、第24回土門拳賞、平成17年度日本写真協会賞作家賞受賞。

 

 

 

坂田さんからは撮影時の楽しいエピソードをお話しいただきました!

 

質問コーナーはとても盛り上がりました!