2023/09/12 (Tue) 17:26
「八代克彦氏によるギャラリートーク2023」を開催しました!

9月9日(土)、建築家の八代克彦さんをお迎えして、モエレ沼公園ガラスのピラミッド3階のイサム・ノグチギャラリーにて、MFC20周年事業の一つである今年2回目のギャラリートークを開催しました。
前日台風接近という予報もあり天候を危惧しましたが、当日はモエレらしい気持ちの良い青空が広がり、およそ40名のみなさまが参加されました。

 

ギャラリートークの最初に、「モエレ沼公園のステキな瞬間:写真募集!」に応募いただいた全作品60点を八代さんが紹介しました。作品からは、投稿者の方が発見したモエレ沼公園の美、大地の彫刻の魅力が存分に伝わってきて、八代さんも来場者も共に感心しました。その中には、モエレ沼公園近隣の中沼小学校5年生からの多数の応募が含まれており、子どもたちの視点や、子どもたちのモエレ愛を実感させてくれました。イサム・ノグチもさぞかし喜んでいるのでは。

 

 

続く「モエレ沼公園に託したイサム・ノグチのメッセージ-21紀の子どもたちへ-」と題した八代さんの講演では、八代さんが札幌市立高等専門学校で教鞭を執られていた平成12頃に、当時学生だった岩村友恵さん・下山千絵さんと共に行った「どうしてモエレ沼公園は一つの彫刻なのか?」「子どもたちに捧げた遊び場はどのような構造なのか?」という建築家らしい視点での研究で明らかになったことの話を中心に、「軸線」、「ビスタ」、「重なり」といったキーワードを示しながら、分かりやすく話していただきました。この時の研究成果は、美しくデザインされた3枚のグラフィックとして簡潔にまとめられています。特に「Isamu Noguchis Genealogical Tree of Moerenuma Park(イサム・ノグチによるモエレ沼公園の系譜)」と題した1枚は、イサム・ノグチの作品(現存も構想も)とモエレ沼公園の相関を示した力作です。

 

 

現在、会場となったイサム・ノグチギャラリーでは、上記の研究成果や下山千絵さんの素晴らしい原画などを展示した「モエレ沼公園のシクミ展」を開催しています。会期は921日(木)の15時までです。ギャラリートークで話されたエッセンスが込められていますので、会期内にぜひ会場に足をお運びください!

MFCの関わりにより、イサム・ノグチギャラリーが活用された好例になったと思います。

 

 

八代先生の講演を聞いて、モエレ沼公園で子どもたちを安心して遊ばせておける理由が良く分かったと同時に、イサム・ノグチの作品要素が多く詰まった集大成がモエレ沼公園だとあらためて実感しました。

ギャラリートークに参加された皆様、ありがとうございました。