連載・素人だって楽しかった!イサム・ノグチ庭園美術館開館10周年記念シンポジウムエピソード集 vol. 1

2009/11/26 (Thu) 12:30

こんにちは。
事務局のお手伝いをさせていただいている、学生会員の永谷です。

前回予告しておりました、「連載・素人だって楽しかった!イサム・ノグチ庭園美術館開館10周年記念シンポジウムエピソード集」
第一回をお届けしたいと思います。

第一回「草月会館ってなんだ?」の巻!わー、ぱちぱち。
(常識かもしれませんが…そこは笑顔で流してください…)

お恥ずかしいことに、私はこのシンポジウムに行くまで、草月会館というものを知りませんでした。
「くさつき」と読んでしまうくらい知りませんでした。
勉強不足を痛感…
なので、まず第一歩はここから始めたいと思います。

草月会館は、いけばなの流派草月流の会館です。草月流のホームページには、以下のように草月のいけばなが紹介されています。

「初代家元・勅使河原蒼風が形式主体のいけばなに疑問を持ち、「個性」を尊重した自由な 表現を求めたことから草月のいけばなは始まりました。
草月のいけばなは「型」にとらわれることなく、常に新しく、自由にその人の個性を映し出します。いけ手の自由な思いを花に託して、自分らしく、のびやかに 花をいけていきます。また、時代と共に変化してきた草月のいけばなは、それぞれのご家庭で楽しむことはもちろん、ウインドーディスプレーや舞台美術など、 社会のあらゆる空間に植物表現の美と安らぎをもたらしています。」

このような性格を持つ草月流の会館の、玄関前空間デザインを依頼されたのがイサム・ノグチだったそうです。従来の形式にとらわれない、自由な表現を求めたという点で、草月流とイサム・ノグチの共通点が垣間見えます。

草月会館の設計を手掛けたのは丹下健三事務所でしたが、すでに工事が進んでいた丹下事務所の設計にイサム・ノグチが手を入れ、「内装だけでなく、ロビーの天窓や階段の位置も変更することに、丹下は一言の苦情もはさまなかった(『イサム・ノグチ―宿命の越境者―』ドウス昌代著より抜粋)」といいます。

こうしてできあがった石庭<天国(または<花と石と水>)>は「自然石と幾何学模様の石とのアンサンブルがいかなる角度から見ても絶妙のうえ、上段から湧き出る水の流れと静かに融け合い、とてもおおらかな空間を作り上げている(「朝日新聞」、1993.02.19)(『イサム・ノグチ―宿命の越境者―』ドウス昌代著より抜粋)」と評されています。

そんなすばらしいところとはつゆ知らず、「イサム・ノグチが手がけたいけばなの会館」という知識だけを携えて行ったのですが…一言で感想を言うと、

なんだこの空間は!!

です。大学では一応建築の学生なので、空間に対する意識は、すこしばかり持ち合わせているつもりなのですが、私の数少ない空間体験ランキングの上位に躍り出てきた感じです。

まず、建物正面にそびえたつ「草月流の床柱」と呼ばれるモニュメント。さらにそこからガラス越しに見える石の表情がタダものでない雰囲気を醸し出し、「えっ、中どうなってるんだろう」と思わせます(実際、思いました)。

玄関をはいると、ぶわっと広がる吹き抜け空間と、そこにひょろりと立つ木のオブジェ。

視線をあげると、幾層にもなった壇上に点々と置かれる”あかり”たち。階段をのぼり、歩みを進めるにつれて振れる視界に映るのは、同じもののはずなのに、見方を変えると違って見える不思議な光景。

すこし座って落ち着ける場所もところどころにあり、

最上段には水の湧き出る不思議な彫刻…

この水、何だったんだろう…そんなときは、調べる!
「最上段に置かれた「つくばい」から静かに湧き出る水は、下の各テラスをくぐりぬけ、小川となって最下段へいたる(『イサム・ノグチ―宿命の越境者―』ドウス昌代著より抜粋)
なるほど…!そういえば、水、下まで流れてた!!(気づくの遅い)

シンポジウムが終わった夜には、また違った表情を見せる石庭が、とても幻想的で、印象に残っています。

さて、次回から、やっとシンポジウムの本題に入ります。
…というか、第一回がこんなに長くなる予定ではなかったんですけれど…おかしいな…
とりあえず、乞うご期待!(本当に乞う…!)

【はみだしコラム】
本を読みながら、心に響いたイサム・ノグチの名言を紹介するコーナー。(覚書ともいう…)
ときどき「あっ」と思ったら書きます。
今回は、石について語るイサム・ノグチのことばたち。(『イサム・ノグチ―宿命の越境者―』ドウス昌代著より抜粋)

「石を叩いてみれば、われわれ自身のなかに、存在のこだまが返ってくる。それは、宇宙全体に反響する。」
「石は、人間が存在する以前から生命をもっていた」
「石こそ地球の骨だ」

このことばたちを読んだとき、びっくりして胸のあたりがぐるぐるしました(もっとスマートな表現はないものか…)
宇宙に存在を響かせる、地球の骨…石を、そんな風に思ったことなんて一度もありませんでした。
断崖絶壁の印象が、ちょっと変わりそうです(ほかにも変わるとこ、あるだろうに…)

ではっ!

(学生会員:永谷 早都実)

イサム・ノグチ庭園美術館開館10周年記念シンポジウム「イサム・ノグチの遺したもの、未来への贈り物」のご報告

2009/11/18 (Thu) (Wed) 12:56

こんにちは。学生会員の永谷です。

事務局をお手伝いさせて頂いております。

11月15日に行われた イサム・ノグチ庭園美術館開館10周年記念シンポジウム「イサム・ノグチの遺したもの、未来への贈り物」 に行ってきました!

会場は東京・草月会館。イサム・ノグチさんが手がけた石庭<天国>で有名です。(ちなみに永谷は最初「そうげつ」会館を「くさつき」会館と読んでいました…勉強不足…)

シンポジウムは三部構成で行われました。

第一部は「私から見たイサム・ノグチ」と題され、建築家・川村純一さんのコーディネートのもと、

建築家の磯崎新さん、

写真家・篠山紀信さん、

作家のドウス昌代さん、

洋画家・堂本尚郎さん、

彫刻家の広井力さん、

同じく彫刻家の安田侃さんが目の前に!

そうそうたるメンバーに緊張してしまいましたが、各々のイサムさんとの思い出が、時にジョークを織り交ぜながら和やかに語られ、会場からは笑いがおこった りすることもしばしば。イサムさんとともに時を過ごした方々のお話を聞いていると、イサムさんの人となりが目に浮かぶようでした。

 

昼 休みには、篠山紀信さんが撮影された庭園美術館の写真集とポスターが販売され、たくさんの人が列をなして買い求めていました。さらに、ご本人によるサイン まで…!第一部で語られた撮影秘話を聞いた後だと、なおのこと手にいれたくなってしまいます。(どんなお話がなされたのかは、後ほど!)

 

第二部は「イサム・ノグチに学ぶ」ということで、キュレーターでありミュージアム・コンサルタントである新見隆さんがコーディネーターを務められ、

イサム・ノグチ日本財団の理事をつとめられているジョージ・コーチさん、

グラフィック・デザイナーの佐藤卓さん、

日本大学芸術学部教授芸術研究所長の高橋幸次さん、

建築家の谷口吉生さん、

プロダクト・デザイナーの深沢直人さん、

演出家の宮本亜門さんら、またまたそうそうたるメンバーが壇上に。

第一部とは少し趣を変え、イサム・ノグチの彫刻とはどんなものなのか、イサムさんとのお仕事のエピソードなどを織り交ぜながら語られました。

 

第三部では、「未来への贈り物とは」と題され、イサム・ノグチ日本財団の理事をつとめられている酒井忠康さんが、思想家・新井 奥邃の言葉を引用しながら、イサム・ノグチの根底にどんな思想がありうるのかをお話しされ、最後に、イサム・ノグチの制作パートナーであった和泉正敏さんがご挨拶されました。

シンポジウム後は、美しい“あかり”の灯る石庭<天国>でたくさんの方々がお話しされていました。昼に見たときとはまた違う表情を見せる石庭と“あかり” たち…中に浮いたようなガラスボックスの草月プラザ、レストラン「薔薇」で歓談する人たち、そのガラスに反射する“あかり”のキラキラした光が、不思議で 美しく、本当に<天国>のようでした。

シンポジウムの内容について、わたくし永谷が素人ながらに心に残ったエピソード、勉強になるなあと思い思わずノートにとったエピソードなど、初めて草月会館を訪れた感想なども含めながら、これから何度かに分けてお伝えしていこうと思います。

 

題して「連載・素人だって楽しかった!イサム・ノグチ庭園美術館開館10周年記念シンポジウムエピソード集」!!略して「素人だって楽しかったイサム・ノグチエピソード」!!

 

…怒られませんように…

 

第一部でもお話してくださっていたドウス昌代さんの『イサム・ノグチ~宿命の越境者~』上下巻も手に入れました。これを読みながら、シンポジウムを振り返りつつ、モエレ沼公園をつくったイサム・ノグチがどのような人であったか、探ってみたいと思います。

 

も ちろん素人ですので、いろいろと抜けているところ、間違っているところなどあるかもしれません…そんな時は、ぜひ、教えてください!ブログというツールを 使って、わたしだけではなく、モエレ・ファン・クラブのみんなで、老若男女問わず!モエレ沼公園をつくったイサム・ノグチってどんなひと??というのを知 ることができたらいいな、と思っています。

 

次回からの連載(?)も楽しい雰囲気で書いていけたらいいなあ、とひそかにたくらんでいます。

ではまた!

 

(学生会員 永谷早都実 ながや・さとみ)

google

2009/11/17 (Thu) (Wed) (Tue) 12:59

事務局の森本です。

今日はイサム・ノグチさんの105回目の誕生日です。

そのためはgoogleのトップページがイサム・ノグチさん風になっています(笑)

今日中の仕様と思われますので、是非ご覧ください!

 

http://www.google.co.jp/

ご挨拶

2009/11/11 (Thu) (Wed) (Tue) (Wed) 20:42

皆さまにご挨拶いたします。
この度事務局長をお引き受けした斉藤浩二です。

これまで事務局長は保科文昭さんが5年間勤められましたがお仕事の事情もあり、
交代することになりました。
長い間の保科さんのご努力に心から感謝いたします。
有難うございました。

MFCはこれ迄の任意団体から、
NPO法人という公益性のある社会的存在にレベルアップすることが決まっております。
これから皆さんと相談してMFCのビジョンや活動方針を固めて申請し、
来年4月頃には認証をいただく予定にしております。

いろいろな手続きや作業が出て来そうです。
会員皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

私は今、事務局長という重責を感じてはおりますが、
保科さん始めMFCの活動を支えて来られたコアメンバーの力強い力を引き続きいただいて初めて運営して行けると思っています。
事務局は私の会社である(株)KITABAに移ります。
事務局員として松本卓也がお手伝いに加わることになりましたので、よろしくお願いいたします。
しばらくの間、私も松本も慣れないことで皆さんにご迷惑をかけますが、
民主党と同じようにしばらくの間暖かい眼で見て下さい。

こういう市民活動は自らが楽しい気持ちを感じていなければ続かないと思うので、
時には少しいい加減な場合があるかと思います。
どうか寛容の気持ちでお許しいただきたいですが、
それが行き過ぎた場合は厳しく叱責下さいますように、どうかよろしくお願い申し上げます。

それでは皆さん、
これからモエレ沼公園が札幌市民にとってますます楽しく沢山の意味がある場所になるように、
外から来られる方々からは尊敬と羨望の場所となるように、
一緒に考え身体を動かして行きましょう。

モエレ・ファン・クラブ事務局長 斉藤 浩二

MFC事務局移転披露パーティー

2009/11/10 (Thu) (Wed) (Tue) (Wed) (Tue) 07:50

MFC学生会員の湊です。
事務局をお手伝いさせて頂いております。

去る11月7日の土曜日、
MFCの新事務局が設置された株式会社KITABAさんの事務所にて、
「新事務局移転記念 お披露目パーティー」が催されました!

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MFCでは先日、これまで事務局長を務められた保科さんに代わり、
新たなステージへMFCが進んで行くためのリフレッシュを、
ということで、これまで監事を務められていた、斉藤浩二さんを新事務局長に迎えました。

それに伴い斉藤さんの事務所である「株式会社KITABA」に事務局が移転され、
そのお披露目を、ということで今回のパーティーが催されました。

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会には多くの会員の皆様だけでなく、
NPO法人 アルテピアッツアの磯田理事長、
NPO法人 アートチャレンジ滝川の神部理事長、
NPO法人 北海道デザインネットワークの臼井理事長、
iwamizawa90°の遠藤さん (当日は残念ながらご欠席されました)、
また、今回札幌市さぽーとほっと基金を通じてMFCへの寄付、連携事業を行って下さる、
㈱北清企業の長崎総務部長、

などの方々をゲストとしてご招待させて頂き、
新たな門出を皆さんでお祝いしました。

MFCの小林会長からは、
新しい事務局長と事務局になり、地下鉄から近いところへ移って来たことからも、
より会員の皆さんも事務局に足を運べる、開かれた会へとなっていこう、
というご挨拶を頂きました。

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また、斉藤新事務局長からは、
事務局を手伝ってくれるスタッフだけでなく、
会員の皆さんと協力しながら、
より活発な活動が発展するMFCにしていきたい、というメッセージを頂きました。

その他にも北清企業さんからの連携事業に関するご紹介や、
映画「レオニー」を応援している「マイ・レオニー」の大居さんからは、
公開へ向けての現在の進捗状況や、撮影ロケの様子などをご紹介頂きました。

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会の中では、
せっかくNPOとしてデザインや芸術、アートをキーワードに
北海道で活動する団体が集まった事だから、
ということで、今後も相互に連携、協力していくことにご賛同を頂きました。

まず第一弾としては、お互いにそれぞれの会の会員となり、
それぞれの名簿に名前を記載することで、
協力関係の第一歩とすることが決まりました。

お料理はいつもおいしい料理を作って下さる、
西18丁目のレストラン、pipinさんのケータリングを頂きました。
おいしいお料理で皆さん大満足のご様子。

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pipinさん、ありがとうございました!

楽しいうちにあっという間に時間も過ぎ、
最後は学生会員の永谷さんが作成して下さったMFCのポスターをご紹介して閉会しました。
ポスターはモエレ沼公園のガラスのピラミッド内にも掲示して頂いています。
ぜひご覧下さい!

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弥生の会以来のこうして皆さんが顔を揃える貴重な機会。
とても和やかで、意義深い会になったのではないかと思います。

ご出席下さった会員の皆様、ゲストの皆様、
そして事務局の設置を引き受けて下さり、また今回の会場としてご提供も頂いた、
株式会社KITABAの皆様、
ありがとうございました!

(学生会員 湊太郎)